選択的シングルマザーの出産(1)

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夜中に両親に病院まで送ってもらって、
病院の入り口で降りた。
入院グッズがあるので、大荷物だけど、
コロナ渦だから病院の中まで付き添いはダメだと思い、
私一人で産婦人科入院窓口まで行った。

そしたら、「あれ?!一人ですか?ここまでは来てもらってよかったのに」と
助産師さんに言われた。
普通に考えたらそうだよな。笑
…と思ったけど、そのときは、まだ
両親ともにちゃんと口をきいてなかったので、
仮にコロナじゃなかったとしても、
一緒にきてもらうことはなかったと思う。

ただ、あのときは、エレベーターを探せなくて
階段で行ったので、
「妊婦に最後にこんな大きな試練を残しておくとは…」
と大量の荷物を運びながら一人で笑った。

幸いなことに、入院してる妊婦さんの数がそのときはすくなかったので、
陣痛のときは、助産師さんが一人一緒にいてくれた。
腰をさすってくれて、本当にありがたかった。
今はコロナ渦なので、選択的シングルマザーでなくても、
出産は一人になると思う。
家族が来てくれる出産を体験したことがないので、
それと比較して、一人で淋しくて心が折れる、とは思わなかったけど、
誰かが側にいてくれたほうが断然良い。
助産師さんが用事で部屋を離れたとき、
心底そう思った。
誰かが居てくれるだけで、痛みがちょっと和らぐ気がする。
多分、気がするだけじゃないんだと思うけど。

さすってくれるだけで、痛みが1割減るんだ。
ニンゲンってすごいな。

…これを書いていて今思ったけど、
もしコロナじゃなかったら、本当に一人だったんだなと思う。
誰か家族が来て陣痛を励ましてくれるのが当たり前だったら、
助産師さんは居てくれないだろうし、
私には来てくれる家族はいなかっただろうから。
そっちのほうが心が折れちゃうな。
ある意味、コロナでよかったと思える事案だ。

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