「選択的シングルマザーです」と、私が名乗らない限り、誰にもそれはわかりません。
見た目では何も変わらないし、子どもが元気に育っている限り、あえて人が立ち入る話ではないかもしれません。
でも、行政の手続きになると、やっぱりそこに“社会の当たり前”がにじみ出てきます。
別に暗い話でも、嫌な思いをした話でもないのですが、選択的シングルマザーってまだまだ認知度低いんだなって感じた経験談です。
書類にある「父親の名前」
毎年、ひとり親の手続きで市役所に行きます。
必要書類を書いて、窓口に提出して、確認を受けて――。
そこまでは普通なのですが、書類の中に必ず出てくる欄でつまずきます。
「父親の名前」
私はいつもそこは空欄です。
だって、生物学的には父親が存在しているとしても、実際には「いない」から。
職員の言葉
今年も、書類を提出して待っていると、担当者の方が少し困ったような顔で私に言いました。
「えっと…こちら、(父親の欄が)空欄になってますけど…?」
「父親はいません」と伝えると、その方は微妙な沈黙のあとに、こうつぶやきました。
「でも…子どもが生まれてるんだから…ねえ…?」
「精子提供です。父親はいないんです」
すると、その方は固まって「…なんだそれ…」と心の声が顔に出ていました。
頑張って思考しようとしてくれているのか、もう理解が追いつかずフリーズしているのかわかりません。笑
同じ人と、まったく同じやりとりを2回
これ、面白いのが、同じ担当者の方と、まったく同じやりとりを2回しているのです。笑
たしかに、役所は人が多く来る場所ですし、個々のケースをすべて覚えていられるわけではないのも理解しています。
でも、全く同じなのには、今回若干苦笑いでした。
私が「選択的シングルマザーであること」を特別だと思ってないところが、
世間の認識を垣間見たときの「ああ~(苦笑)」という感覚につながるんだと思います。
選択的シングルマザーはかなり少数派な生き物だったか…と改めて認識。
私のいる地域は田舎なので、このような例が他にないレベルかもです。
来年はどうかしら
来年、また手続きをするとき、もしかしたらまた同じやりとりがあるかもしれません。
もしかしたら、またあの「でも…子どもが生まれてるんだから…ねえ…?」のセリフが聞けるかもしれません。笑
今度は「選択的シングルマザー」とはなにかということを説明してみようかな。
そしたらあの人は、次から理解してくれて、同じ質問をしなくなるかも?
(疑問:離婚してシングルマザーになった人は、父親の名前を書くのでしょうか。)
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